2015.12.11
厨川・水谷研究室 嶋田と大久です.
昨日の10日木曜日に学部1年生向けの授業である創造工学研修の当研究室のテーマ,
ペーパーブリッジの最終回を行いました.
橋の強さ = 材料 × 構造 × 創作力
まずは予備知識.これがペーパーブリッジの3要素です.
材料:
紙は,引っ張りに強く,丸めれば圧縮にも多少は耐えられます.しかし曲げには弱く,亀裂などのきっかけで簡単に破断する…そしてボンドの使い方も重要となります.
構造:
自分たちのアイデア.「橋」という概念からどのように創るかの方向性を決める重要な要素.既存の橋(Bridge)を参考にしてもよいが果たして紙にした場合には?
創作力:
たとえば全く同じ設計図でも隣の彼と自分では橋の出来上がりが違うよね.いかに凝った作りでも作れなければ強度を発現できずに壊れてしまうのです.
以上のようなことを考えて,3か月間にわたり構想・設計・解析・創成の元,作り上げた“創造の結晶”
正に雌雄を決する刻です!!
プレゼン・計量・試験
プレゼン:
2人1組でチームとなり,議論の尽くして作ったブリッジについて,プレゼンを行います.
自分たちの橋はここが凄い!ここを工夫した!というアピール,煽りです.
計量:
ブリッジの自重を計測します.コンペティションはポイント制で,
ポイント = 耐えた荷重 / 自重
で計算します.さながらボクシングの計量…?
(自分はこのタイミングでは運営に必死で写真を取り忘れてました・・・)
試験:
いよいよ試験開始です!
念のため,荷重を載せる人は安全靴を着用します.
今回は前年度の反省を生かし,カゴにおもりを入れていくスタイルとしました.
(昨年度以前の様子を知らない人にはわからないでしょうけども,だいぶ改善しました…)
これで試験はだいぶスムーズに進み,4チームのうちの3チーム目までは
様々なドラマを生みながらも時間通り進み,この時点で最強は18.4kg(109pts).
今年もまずまずの出来だなあ,という印象でした.
しかし,自分には経験上,試験前から分かっていました.次に控えるチームが最強であることが・・・
建築学科から来た2人の作品は,本人たちがプレゼンで死角はないと言い放つだけのものでした.
その作品は構想の段階から橋なのかすら危うい,斬新で予想外のものでしたが,
自分はわれらが教授を乗せられる橋の誕生するという誘惑に負けてOKサインを出してしまいました.
写真の橋は例年の橋からはみ出さないアイデアで,
しかし耐荷重は56.05kgと我々の想定を超えてしまい,おもりを追加で探す事態となりました.
そして最強の橋・・・彼の耐荷重はなんと,
80.5kg !!
空前絶後の記録が誕生しました・・・!
これならぶら下がって遊べたなあ.
記念撮影
最後に3か月間試行錯誤を重ねた作品と記念撮影です.
なお中央の作品が最強の橋です.鉄のフレームに紙の輪をかけるというアイデアで,
さながら紙の引っ張り試験のような状態となりました.
そして最強の橋を作ってくれた中井彬人君と山家哲生君には表彰状を授与いたしました.
最後の橋が予想をはるかに超えて強かったために,
壊れるまでに想定よりも時間がかかり,1時間ほど押してしまいましたが,
盛況のうちに本年度のペーパーブリッジコンペティションも幕を閉じました.
しかし,最後に厨川先生が去り際に残した「俺を乗せるにはもう少しだな」というセリフが印象的でした.