加工変質層のレーザ修復技術

 大口径のUVグレード合成石英ガラス非球面レンズは、半導体露光装置やレーザ核融合装置等に使われている。石英ガラスは通常のガラスに比べ、延性脆性遷移切込み深さが約32nmと非常に小さいため、鏡面研削が困難である。本研究では、石英ガラスに対して,新たな鏡面研削工程を提案する。最初に、極微粒ダイヤモンド砥石を用いてクリープフィード研削により非球面形状を創成する。通常研削の4倍以上の高能率研削を実現するとともに、大幅な研削面粗さ、砥石磨耗低減を実現した。その後、CO2レーザにより研削表面下の加工ダメージ層を完全に修復する。最後に、石英ガラスの延性モード臨界切込み深さ以下で超精密研削し、表面粗さRa4.3nmを得た。この手法により、後工程の研磨時間を大幅に短縮し、コストを大幅に低減することが可能となった。

  • エッチングにより顕在化させたクリープフィード研削表面下のクラック
  • レーザによる加工ダメージの修復
  • 鏡面研削された石英ガラス(PV14nm, Ra2nm)